Storage Magazine 2020年5月号より
Dave Raffo
SMR、HAMR、その他使えるHDD技術
ハードディスクは、2020年に返り咲きしそうだ。SMR、HAMR、MAMR、およびデュアル・アクチュエータが、セカンダリ・ストレージのために大容量と高速性を提供してくれるからだ。
最近耳にするのは、ソフトウェア・デファインド(ソフトウェア定義の)、クラウド・ネイティブ、フラッシュ・イネーブルド・ストレージの話題ばかりで、皆ハードディスクのことをすっかり忘れてしまっているかのようだ。
一部の観測筋は、つい最近までストレージの定番だったハードディスク・ドライブ(HDD)が消滅の途上にある、とまで主張している。ちょっと待ってもらいたい。
三つのものを挙げておきたい。メインフレーム、テープ、ファイバーチャネル・スイッチだ。より新しい技術がとうの昔に追い越したにもかかわらず、これらの技術は今でもオンプレミスやクラウド・データセンターで活躍している。
ハードディスクについても同じことが言える。数年前、懐疑的な人々は、HDDがテープより先に無くなるのではないかと考えた。そのテープはと言えば、10年以上前にバックアップの主流メディアとしての役割をディスクに奪われている。まあ、バックアップ・ソフトウェアが、この1、2年で退屈なストレージ技術から最も注目を浴びる技術になったいきさつを思い出してもらいたい。HDDも2020年に同じような返り咲きを果たすだろう。もちろん、HDDはバックアップのような爆発的人気を得ることはないだろうし、かつてのようにプライマリ・ストレージとしてトップの座を取り戻すこともないだろう。その座はフラッシュやSSDのものだからだ。しかし、それほど新しくはない幾つかの技術によって、HDDは来年にかけてSSDや他のフラッシュ技術よりずっと面白いものになるだろう。
皆さんは、SMR(Shingled Magnetic Recording:瓦磁気記録)、HAMR(Heat-Assisted Magnetic Recording:熱アシスト記録)、MAMR(Microwave-Assisted Magnetic Recording:マイクロ波アシスト記録)という用語をどこかで聞いたことがあるかも知れない。さらに、マルチアクチュエータ(Multi Actuators)という用語をよく知っているという読者もいるかも知れない。これらのHDD技術(この中のいくつかは10年以上前のものだ)は、いつでもHDDを再び面白いものにする準備ができている。
一方で、フラッシュ・ドライブは新技術の進展を待ちながらストレージの主役の座に就いている。今年(2020年)はNVMeの年になるだろうか?こればっかりは分からない。以前にもその話は聞いた。で、NVMe-oFはどこに行ったんだろう?ストレージ・クラス・メモリは、Intel Optane製品ラインアップの列車に乗っているが、この列車が駅を出るのに予想外の時間がかかってしまった。
ストレージ容量の需要がかつてないほど増大している今こそ、キャパシティ・ストレージとしてのHDDに注目すべき時だ。それほど新しくない技術であるSMR、HAMR、MAMRは、この需要に応える用意ができている。これらの技術は、容量、速度、価格の面で主流になれるだけのものを持っている。
Seagate TechnologyとWestern Digitalは、これらの技術を使って18TBのディスクを出荷し、2020年末には20TBのディスクが出る予定だ。2019年末時点で両社の最大容量(販売中と出荷予定)が14TBと16TBだったことからすると、これはいい感じの容量増だ。もう一つの大手ハードディスク・ベンダー東芝は、2020年末に18TBの製品を出荷し、引き続き20TBをリリースする予定であると公表した。
さらにワクワクするのは、これら新しいHDDの高速化だ。高速化を実現しているのは、 マルチアクチュエータ・ディスクだ。これらのディスクは、2つ以上のアクチュエータ(ヘッドを読み書きする位置に移動させるディスクのパーツ)を使っている。最近まで、HDDは一つのアクチュエータがすべての仕事を行っていた(下図参照)。デュアルアクチュエータ・ディスク(二つのアームが別々に動いてスループットを倍にする)は、今続々と市場に出てきている。これによって、読み書きはより高速になり、ドライブのリビルド時間も短縮する。将来のディスクはさらに多くのアクチュエータを搭載するだろう。
最近耳にするのは、ソフトウェア・デファインド(ソフトウェア定義の)、クラウド・ネイティブ、フラッシュ・イネーブルド・ストレージの話題ばかりで、皆ハードディスクのことをすっかり忘れてしまっているかのようだ。
一部の観測筋は、つい最近までストレージの定番だったハードディスク・ドライブ(HDD)が消滅の途上にある、とまで主張している。ちょっと待ってもらいたい。
三つのものを挙げておきたい。メインフレーム、テープ、ファイバーチャネル・スイッチだ。より新しい技術がとうの昔に追い越したにもかかわらず、これらの技術は今でもオンプレミスやクラウド・データセンターで活躍している。
ハードディスクについても同じことが言える。数年前、懐疑的な人々は、HDDがテープより先に無くなるのではないかと考えた。そのテープはと言えば、10年以上前にバックアップの主流メディアとしての役割をディスクに奪われている。まあ、バックアップ・ソフトウェアが、この1、2年で退屈なストレージ技術から最も注目を浴びる技術になったいきさつを思い出してもらいたい。HDDも2020年に同じような返り咲きを果たすだろう。もちろん、HDDはバックアップのような爆発的人気を得ることはないだろうし、かつてのようにプライマリ・ストレージとしてトップの座を取り戻すこともないだろう。その座はフラッシュやSSDのものだからだ。しかし、それほど新しくはない幾つかの技術によって、HDDは来年にかけてSSDや他のフラッシュ技術よりずっと面白いものになるだろう。
皆さんは、SMR(Shingled Magnetic Recording:瓦磁気記録)、HAMR(Heat-Assisted Magnetic Recording:熱アシスト記録)、MAMR(Microwave-Assisted Magnetic Recording:マイクロ波アシスト記録)という用語をどこかで聞いたことがあるかも知れない。さらに、マルチアクチュエータ(Multi Actuators)という用語をよく知っているという読者もいるかも知れない。これらのHDD技術(この中のいくつかは10年以上前のものだ)は、いつでもHDDを再び面白いものにする準備ができている。
一方で、フラッシュ・ドライブは新技術の進展を待ちながらストレージの主役の座に就いている。今年(2020年)はNVMeの年になるだろうか?こればっかりは分からない。以前にもその話は聞いた。で、NVMe-oFはどこに行ったんだろう?ストレージ・クラス・メモリは、Intel Optane製品ラインアップの列車に乗っているが、この列車が駅を出るのに予想外の時間がかかってしまった。
ストレージ容量の需要がかつてないほど増大している今こそ、キャパシティ・ストレージとしてのHDDに注目すべき時だ。それほど新しくない技術であるSMR、HAMR、MAMRは、この需要に応える用意ができている。これらの技術は、容量、速度、価格の面で主流になれるだけのものを持っている。
Seagate TechnologyとWestern Digitalは、これらの技術を使って18TBのディスクを出荷し、2020年末には20TBのディスクが出る予定だ。2019年末時点で両社の最大容量(販売中と出荷予定)が14TBと16TBだったことからすると、これはいい感じの容量増だ。もう一つの大手ハードディスク・ベンダー東芝は、2020年末に18TBの製品を出荷し、引き続き20TBをリリースする予定であると公表した。
さらにワクワクするのは、これら新しいHDDの高速化だ。高速化を実現しているのは、 マルチアクチュエータ・ディスクだ。これらのディスクは、2つ以上のアクチュエータ(ヘッドを読み書きする位置に移動させるディスクのパーツ)を使っている。最近まで、HDDは一つのアクチュエータがすべての仕事を行っていた(下図参照)。デュアルアクチュエータ・ディスク(二つのアームが別々に動いてスループットを倍にする)は、今続々と市場に出てきている。これによって、読み書きはより高速になり、ドライブのリビルド時間も短縮する。将来のディスクはさらに多くのアクチュエータを搭載するだろう。
Dave Raffoは、Evaluator Groupのシニア・アナリスト。
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