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JEITAテープストレージ専門委員会コラム

2024年06月

AI展示会に参加して、テープについて考えてみました

先日、とあるAI展示会に参加してきました。


ストレージ製品を開発する仕事をしているのでデータの取り扱いに興味がありましたが、展示内容はAIを使ったソリューションが主流でしたので、データの取り扱いやストレージなどを含めたAI環境のシステム構成に関して質問してみました。


AI・人工知能はデータを使って学習・解析を行いますが、データの保存先に関しては、お客様に任せたり、クラウドストレージのサービスを利用する運用を提案されているところが多い印象を受けました。データを扱う以上セキュリティは重要な部分ですが現時点ではクラウドストレージ等、他のソリューションを使用することでよりAIに注力したサービス提供をしているという話を聞くことができました。


AIはデータを大量に必要とするので、データのアーカイブは重要です。展示会では画像、動画のAI解析が多く紹介されていましたが、データの内容がテキストだけではなく、画像や映像の場合には、容量はTB(テラバイト)級に及びます。解析では、AI出力には現れない詳細情報の参照や、問題が発生したときの対応のために、オリジナルデータを確認することが必要です。したがって、オリジナルデータ、解析したデータを一定期間消去せずに保存しています。今後AI技術がより普及し保存データがTB単位で増加し続けた場合、クラウドストレージの毎月の課金額やHDD ,SSDなどの容量拡張費用を考えると、コスト的な負担は大きな重荷となるでしょう。


例えば、使用頻度が少なくなった大量のデータをコストの低いストレージにアーカイブすることは解決策として有用です。そして安価に大量のデータを保存するには、テープストレージが最適なのではないかと考えます。最新のLTO-9は非圧縮で18TBのデータを保存することが可能です。


また、近年データの保存においてセキュリティの問題を避けることはできず、アーカイブにおいても同様にセキュリティによるデータ保護は重要な課題となります。


テープストレージを使用することで、データはテープドライブによって自動的に暗号化され、ドライブやテープライブラリからテープカートリッジを切り離すだけでエアギャップ(オンラインではない、システムに接続されていない状態)によってデータが守られます。セキュリティの面でもテープによるアーカイブは現在の要求に応えることができると思います。


テープストレージは、AIデータ容量の増加スピードに対応可能、そしてセキュリティという2つのニーズに応えることができる最適なアーカイブストレージではないでしょうか。 





 

一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA) テープストレージ専門委員会


https://home.jeita.or.jp/standardization/committee/tape_storage.html


本内容にてご質問などございましたら、JDSF事務局経由でお願いいたします。

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