top of page

JEITAテープストレージ専門委員会コラム

2021年06月

今あらためてデータバックアップのおさらい

データバックアップの基本となる考え方「3-2-1 データ保護ルール」をご存じでしょうか? 


まずは3-2-1の‘3’:「3 copies(3つのデータで保護)」


この意味は「データは3つ保管しましょう」との意味です。 具体的にはオリジナルデータと正バックアップデータと副バックアップデータの3つ。(一部にはオリジナルデータを除いて3つとの考え方もあります。) オリジナルデータが破損してしまった場合にでも「冗長化された2つのバックアップデータがあるので安心」ということです。 また、データが3つあればデータを比較することで、どのデータが破損しどのデータが正しいかを判断できるためデータの信憑性維持にも有効な手法になります。


次は3-2-1の‘2’:「2 media type(異なるメディアで保護)」


この意味は「2種類のメディアで保管しましょう」との意味です。 1つのテクノロジのメディアでデータ保管をしていたとしても、時間の経過とともにそのテクノロジ製品が入手困難になってしまった場合はせっかく正しく保管してあったデータであっても読み出すことが出来ず、結局失ってしまうことになります。 また同じ種類のメディアでは同じような特性(得意/不得意)を持っているのでメディア故障のタイミングが同時期になることが多くなります。 このため異なる2種類のメディアで保管することが有効な手法になります。


最後に3-2-1の‘1’:「1 copy offsite(1つはオフサイトで保護)」


この意味は「1つは別の場所で保管しましょう」との意味です。 例えば複数世代でバックアップデータを保管しているとしても、そのバックアップデータが1つの装置内で保管しているのであれば、装置全体が故障してしまうと全てのバックアップデータを失ってしまうことになります。 また災害からのデータ保護を考えるのであれば、同じフロアや建屋でのデータ保管では、火災や水害といった災害が発生すると、やはりすべてを失ってしまう可能性があります。 このような災害規模まで考慮すると別の敷地でデータ保管することが有効な手法になります。



あらためて「3-2-1 データ保護ルール」を確認してみましたが、みなさんのデータバックアップ環境はいかがでしょうか?



また最近のトレンドとしてクラウドサービスを利用したデータバックアップも流行ってきています。 上記「3-2-1 データ保護ルール」を満たしている環境になるので「安心」と思うかもしれません。 ただ近年の災害を見ると、河川の氾濫や強風による送電線・電柱破損等で電力・通信網が断絶される大規模災害が多数発生し、このような災害の発生はインフラ復旧まで比較的長期にかかるというのが現実です。 クラウドのデータは無事、自分の利用環境は自家発電装置で仮復旧したとしても、途中の通信網が復旧せず業務に支障が発生したとの事例も発生しています。



クラウドバックアップだけでなくインフラ災害からのデータ保護という観点。また可搬メディア、カートリッジ単位でデータ管理が可能、容易に「3-2-1 データ保護ルール」を実現可能とのことで、あらためてテープストレージの活用が災害対策の視点で見直されています。



ひとたび災害が起きてデータを失ってしまっては手遅れです。機会損失の他、場合によっては事業自体の存続も危うくなるかもしれません。これから災害が多く発生する季節を迎えますので、再度データ保護の点検をお勧めします。


 

*一部展示内容の閲覧は無料来場登録後、ログインしていただく必要があります。

一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA) テープストレージ専門委員会


http://home.jeita.or.jp/cgi-bin/about/detail.cgi?ca=1&ca2=292

本内容にてご質問などございましたら、JDSF事務局経由でお願いいたします。

bottom of page