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JEITAテープストレージ専門委員会コラム

2021年03月

感染症による社会変容に伴う、デジタル化の急激な拡大に対応するデータ保存の必要性の考察

今からちょうど1年前は、新型コロナウイルスの拡大が顕著になり、緊急事態宣言の発出について議論がされている時期でした。3月29日にはタレントの志村けんさんが亡くなられ、この感染症の恐ろしさを本当の意味で感じたことを思い出します。



あれから約1年が経ちますが、現状は2回目の緊急事態宣言が発出中で、感染者数は昨年より桁が増えている状況です。1年後もこのような状況に陥っているとは思わなかった、という方が多いのではないでしょうか?



最近、ある大学院教授の文献を目にしました。そこには感染症の歴史についての振り返りが記載されていました。ペストは、最初の感染爆発から3年でいったん終息するもその後50年間で10年から12年のスパンで流行を繰り返し、それから数世紀後に2度目の感染が起きたときも5年で終息してから10年毎に局所的流行を繰り返したそうです。 コレラも同様で、現代ではインフルエンザはもとよりアジア・香港・ソ連風邪など、10年おきに流行していることになります。 新型コロナウイルスがいつ終息するのか誰も正確なことは言えない状況で、まだ暫く覚悟が必要な状況ではありますが、感染症の発生スパンとなる10年や20年、50年おきといった『年数』をふと考えました。



今回の新型コロナウイルスの研究・日々の医療現場等で発生している感染症関連のデータは、今後も決して長くない周期で起こり得る次の感染症に対峙し、ワクチンや薬剤の開発研究など人類が生き延びていくために、数十年間という長期スパンの中で安全・適切に保存されていかなければなりません。 そこで、膨大なデジタルデータを最適に蓄積・保存し、必要な時に適切に取り出せる仕組みとして複数種のストレージを組み合わせた階層型ストレージシステムの活用が考えられますが、コンピュータウイルス等のコンピュータネットワーク上に潜むデータ改竄・損失等の重大リスクを回避しながら、安心安全に大容量のデータを長期保存し、20年、50年といったスパンでの再利用を実現するには、長期保管性・長期供給性にも優れる大容量かつ低コストのテープストレージの活用が必要不可欠です。



皮肉なことに、新型コロナウイルスの対応過程で、日本は紙媒体での業務プロセスが多く残存する『アナログ社会』であることが、世界的にも露呈してしまいました。 日本は、世界的にもデジタル化が比較的進んでいる国である、という印象を大幅に覆すことになり、先送りしていた課題が新型コロナウイルスであぶり出されてしまったのは皮肉というしか有りませんが、政府もデジタル庁を発足させましたので、新型コロナウイルスの対応とも並行して、世の中の仕組みもデジタル化が急激に進んでいくことでしょう。



社会全体のデジタル化が急激に進行することで、新たに生成・創出されるデータ量は爆発的に伸び、過去からアナログ手段(紙・マイクロフィルム他旧世代媒体)で保存されているデータのデジタル媒体へのコンバートが進むことも容易に想定出来ます。



そのような社会変容にも容易に対応出来るように、デジタル化されていく社会のデータ保全を支える最終的な拠りどころとして、テープストレージが重要な役割を担うものと私たちは考えています。


 

*一部展示内容の閲覧は無料来場登録後、ログインしていただく必要があります。

一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA) テープストレージ専門委員会


http://home.jeita.or.jp/cgi-bin/about/detail.cgi?ca=1&ca2=292

本内容にてご質問などございましたら、JDSF事務局経由でお願いいたします。

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