Storage Magazine翻訳記事

10年の間、我々は進歩したのか、立ち止まったままか?

著者:Rich Castagna
Storage Magazine2012年4月号より


この10年の間、ストレージ業界ではたくさんの技術革新があった。しかし、いくつかのケースでは、我々はいまだに同じ問題と格闘している。

 

先月、ストレージマガジンは10周年を迎えた。Happy Birthday! 仮想バースデーケーキの蝋燭を吹き消した後、私はこの10年の間にストレージに関連してどんな事が起こってきたかを思わずにはいられなかった。そこで、私は「思い出してごらん、あの頃を」式に、時々は、あの頃自分たちがいかに原始的だったかを笑いながら、古くからの課題をいくつか掘り下げてみた。

 

私はページを大幅にさかのぼって2002年5月号を開いた。きっと大笑いするだろう、と思いながら。私の目に留まった最初の記事の見出しは、「リモート・バックアップ・サービス:選ばれなかった道」その下には「支店の作業員にバックアップをさせるのは,歯を抜くのに似ている」というキャッチ。ハハハ、これは本当に、ホント〜に、今日の状況とそっくりだ。10年前、ストレージ管理者たちは、自社の支店や営業所のデータ保護について日々苛立っていたのだ。今日、当時と比べてはるかに多くの技術的選択肢があるが、戦いは継続中であり、自社の全拠点を含む包括的なデータバックアップ運用を誇れる会社は少ない。私は、これまでにいくらかの進歩があったことは否定しないが、それは比較的地味なものであり、スマートフォンとタブレットという、ストレージの現場にとっての新たな厄災が我々に降りかかって来ている現在は、必ずしも素晴らしい状況とは言えないだろう。

 

そのわずか数ヶ月後に、モバイル・データ保護の問題が、またしてもその醜い頭を持ち上げる。2002年9月の表紙は「バックアップの悪夢−モバイル・コンピューターにどう立ち向かうか」になっている。

 

2002年6月の特集はストレージ仮想化で、記事はおもに、IT管理者やストレージ管理者がストレージ仮想化にあまり乗り気でないことが書かれていた。そこには明らかに、彼らがこの技術を避けている多くの理由があったのだ。「彼らは、標準化の欠如、不十分な相互運用性、中途半端な管理機能、サポートにおける責任のなすり合いによって起こるシステム停止の可能性、など、いやというほど沢山の障害を引き合いにだした。」どういう状況だったか、想像できるだろうか?まあ。今日でもストレージの仮想化に取り組んでいる人たちは、同じ問題にぶつかっているので、想像するのはさほど難しくはないだろう。しかし、我々は進歩しているのだ。我々のアンケートによれば、3分の2の会社が何らかの形でストレージ仮想化を使っている。

 

同じ号で、このような見出しで始まる記事が掲載されていた。「危険な業界用語:最近ストレージのマーケット担当者たちの用語集のなかから、ぬっと出てきたのが、ユーティリティ、という言葉である。」おお!私は、これとまったく同じ文をこのコラムの中で、「クラウド」を表現するのに使ったような気がする。いや、あれは「ビッグデータ」についてだったか?あるいは、多分「コンプライアンス」?過去10年の間に良くなったものを見るのは、楽しいことだ。ストレージ業界の誇大広告は、芸術の域にまで達した、という…。

 

業界における2年目、2003年1月号で年頭を飾ったのは、2003年プロダクト・オブ・ザ・イヤーの記事である。Brocade、CommVault、Fujitsu、Nexsan、Overlandなどの金賞受賞者をはじめとする受賞者の大半は、何らかの形で今でも生き残っている。実際、Brocadeは2011年のプロダクト・オブ・ザ・イヤーのコンテストでも金賞に輝いた。

 

2003年12月号では、我々が初めて行ったストレージ業界の給料アンケートの特集記事でその年を締めくくっている。この年の平均給与は、$77,554。この10年間、多くのことがあまり変わっていないのだが、2011年のアンケート回答者の平均給与が$86,926になったことを、喜びを持って報告したいと思う。これは、12%ちょっとの上昇であり、この間に起こった大いなる景気停滞のことを思えば、この数字は決して悪くない。一方では、いくつかのことは以前と同じ形で残っている。我々は、そのことを嬉しく思う。2012年は我々がストレージのプロフェッショナルたちの給料を調査し始めて10年目の節目の年となるだろう。

 

私が言いたいのは、この10年我々はあまり進歩しなかった、ということではない。実際は、その逆だ。あなたの会社の今日の現場を見て欲しい。もしあなたが、幸運にも10年前からそこに居たのであれば、そこが全く違う場所になっている事が分かるだろう。いうまでもなく、ストレージ技術は休暇を取って遊んでいたわけではないのだ。今日の見出しに使われている語彙を見て欲しい。半導体、オブジェクト、クラウド、ペタバイト、、これであなたもストレージ技術が立ち止まっていたのではないことが分かるだろう。

 

とはいえ我々は、昨年も、一昨年も、その前の年も格闘してきた問題と、いまだに戦っているのである。2003年12月号の最後の特集記事は、「ILMプロセスを始める」というタイトルが付いている。皮肉なことに、ILMプロセスを始めた会社は、あったとしてもごくわずかだ。しかし、新しい名前(自動ティアリング)と新たに、それも急いで取り組むべき課題(半導体ストレージ)によって、この技術は突然流行り始めた。

 

おそらく結論は、技術によって全てのストレージの問題が解決できる訳ではない、ということになるのだろう。おそらく真のソリューションとは、いかにある技術が使われ、いかにそれが他のプロセスや技術と連携していくかという、技術のまわりに作られ、技術をサポートするプロセスのことを言うのだろう。この観点から言えば、この10年の間に我々は大いなる進歩を遂げた、とここで言いたいと思う。

 

 

著者略歴:Rich Castagna は、Storage Media Groupの論説員。

 

Copyright 2000 - 2009, TechTarget. All Rights Reserved,

 

*この翻訳記事の翻訳著作権はJDSFが所有しています。
このページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。

http://searchstorage.techtarget.com/magazineContent/Replication-alternatives